1.赤と黒のブルース

作詞:宮川哲夫
作曲:吉田正

夢をなくした 奈落の底で
何をあえぐか 影法師
カルタと酒に ただれた胸に
なんで住めよか なんで住めよか
ああ あのひとが

赤と黒とのドレスの渦に
ナイトクラブの 夜は更ける
妖しく燃える 地獄の花に
暗いこころが 暗いこころが
ああ またうずく

月も疲れた 小窓の空に
見るは涯ない 闇ばかり
倒れて眠る モロッコ椅子に
落ちた涙を 落ちた涙を
ああ 誰が知ろ


2.東京詩集

作詞:佐伯孝夫
作曲:吉田正

(セリフ)六月十日 雨運河のほとりで

雨 雨 雨 誰の涙かしめやかに
黒い運河に雨がふる
恋は男をこんなに泣かす
きみを抱けばきみを抱けば
ああ 涙ふる

(セリフ)
十月四日 霧 夜の酒場で

霧 霧 霧 いうにいえない淋しさに
もらす吐息か 窓の霧
逢えばつらさも 忘れるものを
グラス冷たい グラス冷たい
ああ カウンター

(セリフ)
十二月六日 風 枯葉散る夕べ

風 風 風 並木道吹く今日の風
恋も枯葉と散らしゆく
哀し詩集の表紙のように
空は灰色 空は灰色
ああ 凍え空


3.街のサンドイッチマン

作詞:宮川哲夫
作曲:吉田正

ロイド眼鏡に 燕尾服
泣いたら燕が 笑うだろう
涙出た時ゃ 空を見る
サンドイッチマン サンドイッチマン
俺らは街の お道化者
呆(とぼ)け笑顔で 今日もゆく

嘆きは誰でも 知っている
この世は悲哀の 海だもの
泣いちゃいけない 男だよ
サンドイッチマン サンドイッチマン
俺らは街の お道化者
今日もプラカード 抱いてゆく

あかるい舗道に 肩を振り
笑ってゆこうよ 影法師
夢をなくすりゃ それまでよ
サンドイッチマン サンドイッチマン
俺らは街の お道化者
胸にそよ風 抱いてゆく


4.さすらいの舟唄

作詞:佐伯孝夫
作曲:吉田正

流れ水藻のさみしく咲いた
月の入江のとなり舟
誰がひくやらギターがむせぶ
故郷恋しと ああ 旅の唄

風に吹かれて別れたままの
白い襟足 ほつれ髪
思い出さすなギターの音色
青いペンキの ああ となり舟

帰る故郷があるならよかろ
俺にゃ故郷も恋もない
月も悲しいギターもつらい
真菰がくれの ああ 浮寝鳥


5.哀愁酒場


6.花の小次郎


7.むせび泣き


8.好きだった

作詞:宮川哲夫
作曲:吉田正

好きだった 好きだった
嘘じゃなかった 好きだった
こんな一言 あの時に
言えばよかった
胸にすがって 泣きじゃくる
肩のふるえを ぬくもりを
忘れられずに いるのなら

好きだった 好きだった
俺は死ぬ程 好きだった
云っちゃならない 「さよなら」を
云ったあの日よ
笑うつもりが 笑えずに
顔をそむけた 悲しみを
今も捨てずに いるくせに

好きだった 好きだった
口にゃ出さぬが 好きだった
夢にまで見た せつなさを
知っていたやら
馬鹿な男の 強がりを
せめて恨まず いておくれ
逢える明日は ないけれど


9.ハワイの夜

作詞:佐伯孝夫
作曲:司潤吉

ハー ハワイ
みどりの夜
月も宵から
波間に燃えて
ああ パパイヤは仄(ほの)かあまく
君慕うウクレレ
やさしのハワイ
ああ ハワイ

ハー ハワイ
君待つ夜
つきぬ想いに
花さえ咽(むせ)ぶ
ああ ささやくは風か波か
ひとり漕ぐ独木船(カヌー)よ
いとしのハワイ
ああ ハワイ


10.無情のブルース


11.弥太郎笠

作詞:佐伯孝夫
作曲:佐々木俊一

「や」の字育ちの 弥太郎さんに
誰がきせたか 三度笠
いいじゃないかえ 一天地六
狭い身巾の 旅がらす

惚れちゃいけない 我慢をおしな
惚れりゃ相手を つらくする
なまじ小意気に 別れたせいか
野菊見てさえ おもい出す

草は一秋 人一生の
ままよ短い この命
張るも意地なら 勝目の背に
なぜに淋しい 山の鐘


12.忘れじのブルース


13.センチメンタル・レイン


14.いいじゃないか